熱帯熱マラリアの病理における血管内皮細胞の酸化LDL受容体LOX-1の役割
Project/Area Number |
13226140
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
沢村 達也 国立循環器病センター 研究所, バイオサイエンス部, 室長 (30243033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相川 正道 東海大学, 総合科学技術研究所, 教授 (90271593)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Keywords | マラリア / 酸化ストレス / LOX-1 |
Research Abstract |
マラリア感染時に酸化ストレスの指標の8-epi PGF2αが増加するとの知見を得たが、8-epi PGF2αがLOX-1の発現を増加させる作用があることが明らかとなった。また、活性酸素やホモシステインによりin vitroでLOX-1の発現が誘導されることが明らかになると同時に、in vivoにおけるangiotensin IIによるLOX-1の発現誘導も活性酸素に依存していることが明らかとなった。さらに、酸化LDLによるNOの減少が活性酸素の産生と並行しておき、これはLOX-1の機能抑制により共に抑えられた。 これまでの研究でin vitro酸化した赤血球がLOX-1に結合するとの知見を得ている。マラリア感染により生じる酸化ストレスにより酸化を受けると考えられる赤血球のLOX-1への結合についての検討を行い、熱帯熱マラリア培養時の赤血球(iRBC+RBC)がLOX-1発現細胞に接着することを観察した。またLOX-1のリガンド結合メカニズムについて解析を行い、LOX-1のC末端にある10残基がリガンド結合に必須であり、特にその中の塩基性アミノ酸が重要であることを明らかにした。また、他の部位の塩基性アミノ酸もリガンド結合に重要な役割をおっており、電気的な相互作用がリガンド結合に重要と考えられた。一方、新しいLOX-1のリガンドとしてバクテリアやフィブロネクチンを同定し、LOX-1が感染成立にこれらのリガンドとの相互作用を介して直接的に関与している可能性を示した。 さらに、LOX-1遺伝子ノックアウトマウスの作成に成功し、C57BL/6の遺伝的背景への置換を行った。これによりマウスにおけるマラリア感染モデルを利用できるようになり、LOX-1のマラリア感染の病理との関連をin vivoで検証することができるようになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(18 results)