磁性半導体における変調ドープヘテロ構造の作製と2次元電子系の研究
Project/Area Number |
13640317
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
黒田 眞司 筑波大, 物質工学系, 講師 (40221949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高増 正 物質・材料研究機構, ナノテクノロジー研究所, 主任研究官
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 2次元電子系 / 量子ホール効果 / 磁性半導体 / 交換相互作用 / 巨大ゼーマン分裂 / 磁気抵抗 / 強磁場発光 / 荷電励起子 |
Research Abstract |
本年度の研究では、分子線エピタキシー(MBE)により、ヨウ素をドーパントとしたn型のCd_<1-x>Mn_xTe/Cd_<1-y>Mg_yTeの変調ドープヘテロ構造を作製し、強磁場下の電気伝導ならびにフォトルミネッセンス(PL)の測定を行った。それにより磁性半導体の2次元電子系における特異な種々の物性を明らかにした。 1.電気伝導測定 高移動度試料の磁場中での電気伝導測定で、整数量子ホール効果による伝導率の振動を見出し、その整数占有率vの位置から、磁性2次元電子系特有の巨大ゼーマン分裂による特異な電子エネルギー構造を有することが確認された。また磁気抵抗の振舞いにおいて、非磁性の試料とは逆に低磁場域で正の磁気抵抗が現れることを見出し、クーロン相互作用に基づく伝導率の量子補正という描像で定量的解析を行った。 2.発光測定 上記と同じ試料において、25Tまでの強磁場下でPL測定を行い、整数占有率vの磁場位置で発光線のエネルギーおよび発光強度が規則的に振動することを見出した。特にv=1の磁場位置では、発光線の高エネルギー側への不連続な跳びが見出された。この発光線の「跳び」を様々な試料で系統的に観測し、そのMn組成、キャリア濃度に対する依存性を解析した。その結果、この発光線の起源は荷電励起子であり、この荷電励起子の解離エネルギーがv=1でのフェルミ準位の移り変わりに応じて不連続に変化することにより、発光線の「跳び」が生じるとするモデルを提唱した。またある特定のMn組成、キャリア濃度の試料では、占有率vが同じ値でありながらフェルミ準位に相当するランダウ準位が交差する、という極めて特異なエネルギー構造が実現されており、このランダウ準位の交差に伴って発光エネルギーの磁場依存性が折れ曲がりを示すことを見出した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)