Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
液晶の電気流体力学的対流(EHC)は,印加電場の周波数,電圧,印加磁場の大きさによって様々な種類が存在する。また,リフシッツ周波数f_Lの前後で対流の構造が大きく変わる。今年度の研究では,垂直配向セルに対して観測の容易なf_L以下の周波数領域で解析を行った。本研究で明らかになった結果を以下に示す。 1.ソフトモード乱流は,ゴールドストーンモード(波数0で緩和時間が無限大のモード)の存在に起因する。セルに水平方向の磁場を印加すると,液晶分子が傾く方向が磁場の方向になるためにゴールドストーンモードが抑えられる。そこで,磁場の強さを変化させながらソフトモード乱流の揺らぎの解析を行った。磁場がない場合は,揺らぎの緩和時間が無限大,即ち緩和周波数=0,であるが,磁場の印加と共に緩和周波数が増大することが明らかになった。磁場が存在しない場合は,ソフトモード乱流の揺らぎの特徴は,第2種の相転移を起こす系の揺らぎの特徴と非常に類似していることがわかった。即ち,ソフトモード乱流の揺らぎの緩和周波数は,規格化電圧ε=(V^2-V_c^2)/V_c^2に比例することがわかった。 2.高電圧で出現する乱流状態のEHCである動的散乱モード1領域(DSM1)での揺らぎの解析を行った。1500Gの磁場下では,対流が磁場方向にドリフトがすることが報告されていたが,DSM1は乱流状態であるために,磁場がない場合はドリフトの有無が分からなかった。ドリフト速度の磁場,電場依存性を,動的画像処理法を応用して測定したところ,測定した全ての磁場領域でドリフトは存在していた。ドリフトは磁場に関するフレデリクス転移の閾値磁場以上は顕著になることが分かった。ドリフト速度は磁場に対してほとんど依存しないことが明らかになった。
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