Project/Area Number |
13710069
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育・社会系心理学
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平井 啓 大阪大学, 人間科学研究科, 助手 (70294014)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | 末期がん患者 / 心理的適応 / 生存期間 / セルフ・エフィカシー / 抑うつ / 不安 |
Research Abstract |
面接調査で得られた、末期がん患者の心理的適応に関するデータについて、生存期間とセルフ・エフィカシー、心理的適応の関係の分析を行った。解析の対象者は、大阪府のホスピス緩和ケア病棟にて面接を行ってきた入院中および外来通院中の末期がん患者67名であった。セルフ・エフィカシーと、心理的適応の指標として、抑うつ、不安、身体的要因の指標として、一般性活動状態(Performance Status : PS)、そして面接時から死亡日までの日数を生存期間として、それぞれの関係について分析を行った。まず、Kaplan-Meyer法を用いた生存分析を行い、高セルフエフィカシー群、低正セルフ・エフィカシー群それぞれの生存曲線を算出した。高セルフエフィカシー群の中央生存期間は84日、低セルフ・エフイカシー群の中央生存期間は47日であった。Log-Rankテストの結果、2つの群間の生存期間に有意な差が認められた。これは、高セルフ・エフィカシー群の方が、低セルフ・エフィカシー群に比べて有意に長く生存していることを示している。次に、構造方程式モデル分析を行い、生存期間とセルフ・エフィカシーの間に、PSの影響を想定したモデルについて検討した。その結果、、セルフ・エフィカシーから生存期間への直接効果は有意とはならなかった。一方で、心理的適応の指標である抑うつ・不安に対しては、セルフ・エフィカシーのみが有意な影響を与え、生存期間、PSは有意な影響を与えなかった。よって、セルフ・エフィカシーは心理的適応とPS、生存期間という身体的な指標を媒介する要因であることが明らかとなった。この結果は、生存期間にかかわらず心理的適応状態は変化するものであり、残りの時間が短くなったからといって必ずしも、うつ状態や不安の強い状態になるというわけではないことを意味している。これは、心理的適応の向上のためには、たとえ残された時間が少なくなったとしても、セルフ・エフィカシーをターゲットにした介入の余地が残されているということを示していると言える。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)