Project/Area Number |
13710108
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
足立 重和 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (80293736)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 伝統文化 / 郡上おどり / 示されるものとしての所有(権) / 郡上八幡 / 固有名詞 / (構築主義的)エスノメソドロジー / イニシアティブ / 所有(権) |
Research Abstract |
今年度は、岐阜県郡上郡八幡町における「郡上おどり」の現状を事例にしつつ、伝統文化を「所有」するということは一体どのような現象なのか、その一端を明らかにしていきたい。 昨年の報告書にて研究代表者が議論したことは、ある盆踊りが「郡上おどり」と名づけられた瞬間に生じる規範的な期待であった。具体的に言えば、「郡上おどりは誰のものなのか」が問題になったとき、「地元住民」は、踊り能力の有無にかかわらず、「郡上おどり」という名づけに付着した"郡上"という固有名詞に着目して、「郡上おどりは郡上八幡人のもの」という"思考のエコノミー"を行使するのである。このような規範的な期待のおかげで、地元住民は、いくら踊りを踊らなくても、踊りを崩して踊っても、それらの実践が「地元らしさ」「土臭さ」という表象を可能にさせてしまうがゆえに、郡上おどりの所有権を楽々と主張することができた。ただ、この戦略は、いわゆる「よそ者」に対しては通じるが、同じ「郡上八幡人」のあいだでの所有権争いになったときには、通じない。そこで、地元住民どうしは、自分たちを改めて「郡上八幡人」だと自己規定したうえで、自分たちの踊りには「風情がある」と語りつつ、絶えず差異化をはかろうとする。 つまり、これらの事実から言えるのは、伝統文化の「所有」とは、常にある文化形態の担い方を他の担い方と同じ地平(=客観的な基準)で評価されることに対して拒絶していくことであり、そのような拒絶を通じて「自分たちがイニシアティブを保持している」ことを示すということである。そういった意味で、伝統文化の「所有」とは、何らかの実体を保持することではなく、たえず何らかの実体を保持しているかのように"示す"ことなのである。
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