メキシコにおける先住民統合教育から多言語・多文化教育への変容に関する研究
Project/Area Number |
13710157
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educaion
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
青木 利夫 広島大学, 総合科学部, 助教授 (40304365)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | メキシコ / 先住民教育 / 多言語教育 / 多文化教育 / 二言語教育 / 先住民 / 二重言語教育 / 二重文化教育 / マヌエル・ガミオ |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き、メキシコにおいて、20世紀半ばの先住民教育に関する文献・史料の調査・蒐集をおこなった。とりわけ、メキシコ教育省歴史文書館を中心とした史料調査によって、教育省担当局による公文書をはじめ、実際の教育活動を担った農村教師や視学官の報告書やその他の公文書、および住民の請願書や陳情書などの貴重な一次史料を入手した。そして、入手した文献・史料から、二言語・二文化教育が導入された経緯とその背景を探るとともに、住民が二言語・二文化教育に対してどのような主張をしていたのかを検討した。当初は、先住民がスペイン語のみを使用した一方的な「統合教育」に反対し、独自の言語や文化の重視を主張して母語の使用を求めたのではないかという仮説を立てていた。しかし、二言語教育を導入しようとする当局に対して、スペイン語を重視した教育を求める住民の請願書が存在した。そこからは、独自の言語や文化を守ることとはべつに、スペイン語を公用語とするメキシコ社会のなかで生きていくために現実的な判断をしてきた住民の姿が浮かび上がってきた。ただし、今回入手できた史料はごく限られたものであり、今後さらなる史料の発掘が必要である。その点を考慮して、この研究成果は、所属機関の紀要に研究ノートとして発表した。その際、本研究課題にかかわる日本国内の研究が少ないことから、メキシコの二言語・二文化教育に関する日本の研究を整理した。また、この時代の先住民政策に深く関与した人類学者マヌエル・ガミオによる著作の翻訳を昨年より継続してきたが、本年度はこれを終了し、いずれ発表する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)