20世紀米国の人種・エスニシティ・市民権・ネイティヴィズムの関係をめぐる歴史研究
Project/Area Number |
13710217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
History of Europe and America
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村田 勝幸 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (70322774)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 人種 / エスニシティ / 移民 / 歴史 / アメリカ / シティズンシップ / チカノ / ネイティヴィズム / ラティノス |
Research Abstract |
本科学研究費プロジェクトに関わり、本年度実施した研究は大きく二つに分類される。 1.第一に、「11 研究発表」欄に記した、立命館大学で開催された京都アメリカ研究サマー・セミナー(2002年7月25-27日)での英語口頭報告とそれを基にした英語論文の執筆である。同報告/論文は、ハーヴァード大学より招聘された社会学者、ウイリアム・ジュリアス・ウィルソン教授が行った講演、「人種的緊張の起源-都市部におけるエスニックな近隣域」へのコメントとして構想されたものである。コメンテーターであった村田は、ウィルソン氏の共時的な社会学分析の「歴史化」を試みた。とりわけ、彼がフィールドとしていたシカゴの人種・エスニック関係を20世紀初頭にまで遡って検証することで、20世紀末という時点の特殊性・一般性に考察を加えた。 2.第二に、現在校正を終え出版待ちの状態であるため「研究発表」には記載しなかったものの、今年度執筆した論文として、「引き直された境界線-チカノ運動、セサール・チャベス、非合法移民」(油井大三郎・遠藤泰生編『浸透するアメリカ/拒まれるアメリカ』東京大学出版会、近刊)がある。この論文では、まず、メキシコ系アメリカ人によるチカノ運動がチカノ史記述に与えた意味という点に注目した。従来、日本においては、既存のチカノ史記述を概して客観的事実の反映として素朴に了解する傾向があった。しかし、1960年代末に台頭したチカノ運動とそれに突き動かされたチカノ史記述は社会変革意識の産物であり、単なる事実の記述ととることは歪んだ理解に繋がるものであった。同論文ではその点を分析の俎上に載せるとともに、直後に深刻化した「非合法移民問題」とチカノのシンボル的存在、セサール・チャベスとの間の緊張をはらんだ関係にも分析を加えた。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)