書簡文研究資料としての明治期往来物の収集と資料的性格の分析
Project/Area Number |
13710250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
国語学
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Research Institution | The National Institute for Japanese Language |
Principal Investigator |
小椋 秀樹 独立行政法人国立国語研究所, 研究開発部門・第一領域, 研究員 (00321547)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 書簡文 / 往来物 / 明治期 / 資料性 / 定型表現 |
Research Abstract |
本年度に行った研究は,以下の通りである。 (1)資料的性格を分析するための定型表現の使用実態調査,および用例データベースの作成 平成13年度に着手した以下の定型表現の実態調査を継続して実施し,その結果を用例データベースとしてまとめた。この調査の対象とした往来物は,調査文献データベースに登録した男子用・女子用往来物 計250点である。 男子用往来物:頭語・結語 相手への依頼を表す「〜べく候」 女子用往来物:文末辞「参らせ候」 相手への依頼を表す「〜べく候」 (2)明治期往来物の資料的性格の分析 (1)で作成した用例データベースをもとに,調査収集した男子用往来物・女子用往来物の資料的性格について分析した。 この分析は各往来物における定型表現の用例数をもとに行った。具体的には,男子用往来物では「拝啓」「敬具」を多く用いる往来物と「〜べく侯」をほとんど用いない往来物が,女子用往来物では「参らせ候」「〜べく候」をほとんど用いない往来物が,近世期とは異なる新しい形式の書簡文を収めたものと考え,明治期の書簡文の特色を研究する際に重点的に取り上げるべき往来物として指摘した。今回の分析では,収集した男子用往来物・女子用往来物それぞれ30点程度を,今後の調査で重点的に取り上げるべきものとした。 分析結果のうち,女子用往来物についての結果を第199回近代語研究会(平成14年11月8日・徳島大学)で口頭発表した。なお男子用往来物の中から,当時の書簡文の文章構造を考えるにあたって注目される資料(『帝国用文章大成』(明治16))を取り上げ,明治期の往来物が書簡文の文章構造を研究する際に,どのように利用できるかについて述べた(「11.研究発表」記載の論文)。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)