Research Abstract |
前年度実績報告書において、姫路文学館所蔵金井文庫に含まれる和装本の冊数を約6,000冊と記した。また、同報告書において、同文庫目録の校正作業に着手した旨をも記したが、その後もひきっづき行いつつある校正作業において明らかとなった、上記旧蔵書に含まれる和装本の総点数の概数は約2,151点である(和装本の場合、1点3冊或いは5冊という場合もはなはだ多く、また、中には、1点60冊などというものもある)。 校正作業は、現在、いまだ初校段階の途中で、そのうちの約1,606点分を終えたところであるが、今後の作業の進展に伴って、上記の総点数は若干減少する可能性を含む。というのは、姫路文学館の現整理状態において欠本2点として処理されているもののうちに、それらを併せると完本になる(旧蔵印等の一致を根拠とする)ものが、ごくわずかながら含まれるからである。文庫目録原稿の作成過程においても、可能な限り、そのような欠本を併せ、完本として処理する作業を行ったのであるが、なにぶん膨大な蔵書でもあり、なおかつ、ツレとなる欠本同士が近くにあるとは限らないため、どうしても原稿作成中の整理作業からもれたものがいまだ残存しているのである。目録原稿における点数、約1,606点の初校を終えた現時点においても、その点数から2,3点の減少を確認済みである。 このように目録作成作業自体が神経を使う作業であるため、本年度においては、交付申請段階においてすでに重要資料であるとの見当を付けていた資料に関連する資料・研究文献(十返舎一九関係・出版書肆関係、等)の収集を主に行い、その資料的価値を見定めるべくつとめた。いずれも紹介に価する資料であると思われるが、その詳細については、目録に付載予定の「金井文庫解説」(仮題)において述べるつもりである。その目録は、姫路文学館から発行、次年度中の刊行を目途に作業を進めているところである。
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