Project/Area Number |
13720040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Civil law
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
須加 憲子 早稲田大学, 法学部, 助手 (30329057)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2002: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
Fiscal Year 2001: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
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Keywords | 民法 / 不法行為法 / 人格権 / 差止 / 環境・公害 / 名誉毀損 / 平穏生活権 / 生活妨害 |
Research Abstract |
課題に関する研究は以下のように行った。 差止を考察する背景として、民法学史上法解釈方法論からは二つの時期において法律を科学と捉える二種類の動向があると考えるが、自然科学に対する憧憬が解釈方法に対して科学的「客観性」を重視するという影響を与えていると考えることができよう。これは、被侵害利益(権利)は主観的なものでなく客観性を有するものでなければならないという姿勢と密接に関連すると思われる。不法行為に基づく差止は債権法の一部をなすのに効果は物権法(物権的請求権)の問題となるという矛盾を抱え込んでいる。被侵害利益(権利)が画定されたら法律効果として与えられる最適な救済手段は何かを考えるのが望ましいが、我が国では権利の問題と効果論(差止)については生活妨害と名誉穀損の両分野においてドイツ法流の絶対権保護思想に立脚している。アメリカの救済法はこの問題を扱う領域である。アメリカ法・フランス法に鑑みると、アメリカ法においては名誉穀損の領域で実験的に諸種の救済手法が試用され、ドイツから人格権概念を輸入したフランスでもこの領域においては被侵害利益(権利)と効果との間に硬直した結び付きは見られないようである。 次に検討すべき事項としては、差止の対象となる被侵害利益とは何かという問題と関連するものであって、差止による保護の対象となる権利(ないし利益)概念を抽出することが挙げられる。これにつき、研究ノートとして、生成中の新しい権利概念である平穏生活権に関する判例研究を行った。従来、平穏生活権は産業廃棄物処分場・暴力団・プライバシーの分野で問題となる身体権に直結した精神的人格権であり、近年になって出現した新しい概念と考えられてきた。しかし、判例の考察からは保護利益としての平穏生活は比較的古くから判例上に散発的に現れていた考え方の発展であるということが指摘できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)