Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
H13年度には,以前からの公共投資研究の継続及び科研テーマの分野についての関係文献の収集,検討を精力的に行った.これらの文献は,諸外国の政府間財政関係を理論的・制度的に扱ったものである.これらの検討を通じて,中央・地方の間の機能分担,税源割り当て,支出分野の棲み分け等の実態を網羅的に把握するのみならず,各国での現状の財政システムと歴史的・政治的背景との因果関係をも理解することで,より現実に即した理論の構築に向けて検討を重ねてきた.そして,2つの論文トピックを選択して具体的な理論モデルの構築・検討,並びに他大学での研究報告を行った(明治学院大学・名古屋大学).トピックは(1)脱税の可能性が存在する場合の政府間競争の影響,(2)公共部門が債券発行あるいは財政余剰を蓄積する場合を想定した政府間競争の影響である. H14年度では,これらの論文作成作業を進め,(1)については学会での研究報告(日本財政学会)を行った.(2)については,理論的洞察を得るのが困難であるため,計算ソフト(Mathematica)を購入して理論モデルの数値計算を行った.この作業を通じて,政府間競争が行われている場合には,各政府が債券発行という政策手段を歪めて活用する可能性を見いだすことができた.今後は以上の成果を踏まえて,論文の完成・専門雑誌への投稿を行っていきたい. H13,14年度を通じては,科研テーマ自体に関しては論文作成の基本的作業に忙殺される結果となったが,公共投資に関しては2本の論文が海外の専門雑誌に掲載され,一定の成果を収めることができた.
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