高次元シュレディンガー方程式に対する完全WKB解析
Project/Area Number |
13740096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Basic analysis
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小池 達也 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80324599)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 完全WKB解析 / 高階パンルベ方程式 / 無限階常微分方程式 / 完全最急降下法 |
Research Abstract |
今年度は高階パンルベ方程式に対する完全WKB解析及び無限階線形常微分方程式に対する完全WKB解析を中心に行なった. まず,Gorda-Joshi-Pikeringにより提唱されたP_<II>型,あるいは,P_<IV>型の高階パンルベ方程式にしかるべく大きいパラメーターを導入し,そのストークス幾何とLax対のストークス幾何との対応関係を調べた.この対応関係は青木-河合-竹井によるパンルベ方程式の解析の際に重要な役割をはたしたものであり,その自然な拡張が得られた.この事実は高階パンルベ方程式の研究の今後の進展に大きな寄与の役割りを果すものと期待できる.さらにパンルベ方程式の研究では観察されなかった,ストークス曲線の「交叉」の問題等,高階化による特有の現象についても調べた. さらに,例えばシュレーディンガー方程式におけるエネルギーの無限次交叉の問題への応用を念頭に,無限階方程式の完全WKB解析の研究も行なった.今年度は特に大域的に正しいストークス幾何の構成について着目し,解の積分表示を用いてWKB解のボレル変換の特異性を調べた.その結果,仮想的変わり点や新しいStokes曲線を導入することで,いくつかの具体的な方程式に対するストークス幾何を実際に構成することに成功した.これらは三階の方程式に対して知られていた結果の自然な拡張になっており,大域的に正しいStokes幾何が得られたことで上述の問題への応用が期待される.またこれらの結果を踏まえて,プラズマ物理で議論されているような擬微分作用素に対する完全WKB解析の立場からの研究が現在進展中である.
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)