Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Research Abstract |
ミリ波帯における熱的放射の高解像度観測には結合型干渉計が用いられている.結合型干渉計では,「位相スイッチング」と呼ばれるテクニックにより伝送系で混入するノイズの除去や二つのサイドバンド信号の分離を行う.現在,欧米に加えて日本が共同での建設参加を目指しているアタカマミリ波サブミリ波干渉計(ALMA)でも,特に分光相関器において,これをいかに精度良く行うかが重要な課題となっている.そこで本研究では,電波望遠鏡の受信部・周波数変換部を模したテスト回路を作成して新たな方法の検証を行ったり,ALMA用相関器での実装を検討したりするとともに,(2)野辺山ミリ波干渉計を用いた試験観測を通じて,サイドバンド分離の精度や位相誤差の低減について調査を行った.(1)に関しては,ALMAのための高性能相関器の検討を本研究テーマである位相スイッチング部の実装も含めて進めた結果,この課題で進めてきた「拡張Walsh関数系」を用いた新たな方法も有効だと確認はできたものの,多点FFTを実装するタイプの相関器であれば,従来から用いられている通常のWalsh関数を用いた方法でも十分な精度が達成できることがわかった.この検討に関する結果に関しては,それで可能となる天文学研究テーマとあわせて,オランダで開催された第27回国際電波科学連合総会等で発表を行った.一方(2)に関しては野辺山を数回訪問し,ミリ波干渉計の実際動いている受信部を使った測定を行った.残念ながら当初予想していたスイッチング・パターンと雑音抑制比の関係について有意な差を示すデータは得られなかったが,これは受信部のゲイン変動の影響を受けている可能性も考えられるため,今後も引き続き実験を続けていきたい.
|