Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
「宇宙のダークマターが何であるか?」という問いは、天文学から素粒子物理学にまたがる長年の大問題です。近年、重カレンズを用いた観測から、MACHOと呼ばれる暗黒天体が銀河内に多数存在する事が分かりました。しかし、連星の場合に対して、従来の手法は複雑な連立方程式を解く必要がありました。実際の数値計算には膨大な時間が必要で、高精度の結果を導くのは困難でした。今後の高精度観測を念頭において、連星レンズの高精度の研究法の開発を行ないました。具体的には、2体の重力レンズの基礎方程式は連立非線形なので、複雑な数値解法が必要でした。しかし、単一の実代数5次方程式に帰着出来ることをはじめて証明しました。この定式化は高精度・高速度な理論計算を可能にします。その定式化に基づいて、解の個数の条件(Caustics)を求めました。さらに、解の存在領域を限定する定理も見付けました。これらは、数値計算結果の妥当性を判定する手段に応用できます。また、遠方天体からの電波の木星重力による到着時間の遅れを今後のVLBI観測で測定するためには、光円錐効果が欠かせない事を示した。
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