局所磁化測定法を用いたペロフスカイト型マンガン酸化物における相分離の研究
Project/Area Number |
13740208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
徳永 将史 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50300885)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | マンガン酸化物 / 相分離 / 磁気光学イメージング / 磁気光学効果 |
Research Abstract |
まず最初に局所磁化を可視化する磁気光学イメージング法の感度改善に取り組み、その過程で高温超伝導体Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+y>の傾斜磁場下におけるジョセフソン磁束量子の可視化、およびその磁場依存性を研究する事に成功した。 この手法を用いて、巨視的に相分離を起こす事で知られる(La,Pr)_<1-x>Ca_xMnO_3に対して抵抗と局所磁化の同時測定を行った。巨視的相分離状態では強磁性金属相と常磁性(または反強磁性)絶縁体相とがサブミクロン程度の大きさの領域に分かれて共存する。この状態では強磁性金属領域が連結してパーコレーション的金属絶縁体転移を起こすというモデルが考えられてきた。本研究では転移温度付近での抵抗率の時間変化に対応した強磁性伝導パスの形成・消失を、リアルタイムの画像として観察する事に成功し、パーコレーション的伝導のモデルが適当である事を示した。なお、この結果に関する発表「Simultaneous Study of Local Magnetization and Resistivity in Phase-Separated Manganites」で国際会議LT23ではポスター賞を受賞した。 また層状マンガン酸化物La_<2-2x>Sr_<1+2x>Mn_2O_7に対しても磁気光学イメージング法を用いた実験を行った。本研究では、この物質で現れる迷路状磁区に外部磁場を印加する事でストライプ磁区やバブル磁区を実現できる事を見いだした。いくつかのマンガン酸化物で磁壁による大きな磁気抵抗効果が報告されている事から、磁区構造の制御による輸送特性の制御を試みたが、本物質では磁壁誘起の顕著な伝導の変化は見られなかった。より磁壁の抵抗が大きな系において、磁区制御による伝導の次元制御を行う事が今後の課題として残されている。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)