アクチナイド系物質の多重極子効果 ―非フェルミ流体・隠れた秩序―
Project/Area Number |
13740214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
古賀 幹人 静岡大学, 教育学部, 助教授 (40324321)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 非フェルミ流体 / 近藤効果 / 異方的超伝導 |
Research Abstract |
非フェルミ流体的振舞いや隠れた秩序を示す物質として代表的なウラン化合物のうち、いくつかのものは新しいタイプの超伝導現象を示す。本研究が始まってから2年の間に、それらに関する実験的研究が格段に進展した。特に最近話題になっている、強磁性相と共存する超伝導状態の発見は、5f電子の『遍歴・局在』の二重性を新しい観点から探求する契機となった。当初の研究実施計画で直接対象とするのは非フェルミ流体と隠れた秩序であったが、実際の研究では、研究対象を異方的超伝導にまで拡張し、以下に示すような知見を得た。 1.非フェルミ流体と同様、新しいタイプの超伝導も軌道自由度が重要であり、これがウランなどのf電子系の重要な特徴である。 2.ここで調べた磁性と超伝導の競合は、ウランの原子に起因する近藤効果についてである。通常の金属の場合は、ウランの原子構造の複雑さが重要であるが、超伝導の場合はクーパー対の内部自由度にも強く依存する。 3.帯磁率の計算を示すことによって、軌道自由度をもつ超伝導のクーパー対が磁気モーメントとどのように結合するかが明らかになった。この成果は、磁気秩序相中で実現する新しい超伝導状態を理解するためのヒントになるものと期待される。 以上の研究成果は、国内外の学会や研究会での報告の他に、論文リストに挙げてある4編の論文として発表された。現在、これらの成果をもとにして、強磁性相や多重極秩序相と共存する超伝導状態の性質について研究中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)