カーボンナノチューブにおける電子相関効果の理論的研究
Project/Area Number |
13740220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
吉岡 英生 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (40252225)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 朝永-ラティンジャー液体 / 有機導体 / (TTM-TTP)I_3 / 拡張ハバード模型 / 電荷秩序 / 電子相関 / 一次元電子系 / 核スピン緩和時間 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き、カーボンナノチューブや有機導体を対象にして以下のような一次元電子系の研究を行なった。 「カーボンナノチューブ」 金属カーボンナノチューブでは、通常の三次元金属とは異なり、朝永-ラティンジャー液体状態と呼ばれる新奇な電子状態が実現していることが理論的に示され、実験的にもそれを支持する結果が得られている。これまでこの物質の理論的研究は、バルクの性質を議論するために周期境界条件を用いて行なわれてきたが、実際の物質は1μm程度の長さを持つため、端の効果も重要となる。この新奇な電子状態に対する端の効果に着目し、端を有するカーボンナノチューブの朝永-ラティンジャー液体理論を構築した。さらに、その理論に基づいて、電荷密度や状態密度の空間依存性を詳しく論じた。 「一次元有機導体」 電荷秩序は擬一次元有機導体の研究の一つのホットな話題であり、その状態の性質は詳細に研究されてきている。たいていの有機導体は充填率が1/4であるが、極最近合成された有機導体(TTM-TTP)I_3は充填率が1/2である。この物質においても電荷秩序状態が実現していることを示唆する実験報告がなされているため、充填率1/2一次元電子系の電荷秩序状態における様々な性質を有効作用理論に基づいて調べた。電荷及びスピン感受率、励起スペクトルとその重み、核磁気緩和率、ナイトシフト等を議論した。特に、電荷秩序状態が実現しサイトの種類が2種類になっても、ナイトシフトは1本であり、核磁気緩和率は1種類であることを見出した。この結果は充填率1/2系の粒子-正孔対称性によるものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)