高スピン偏極・軌道整列酸化物結晶の合成と電子物性制御
Project/Area Number |
13740226
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
桑原 英樹 上智大学, 理工学部, 助教授 (90306986)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | 軌道整列 / ペロブスカイト / リラクサー / 複素誘電率 / 緩和時間 / ゼーベック効果 / 置換効果 / 電力指数 / ゼーベック係数 / 熱電能 / ポンプ・プローブ法 / 光学測定 / 元素置換 / 反射率測定 / フェムト秒レーザー |
Research Abstract |
高スピン偏極・軌道整列酸化物結晶の典型例であるペロブスカイト型Mn酸化物において、電荷・軌道整列相転移を示す絶縁体は低温で電気抵抗が大きく直流電気抵抗率は測定することができない反面、その誘電特性の磁場および周波数依存性に興味が持たれている。また最近、Nd_<1-x>Ca_xMnO_3においてBサイト不純物を導入した時にみられる強磁性金属と反強磁性電荷・軌道整列絶縁体の相分離が、強誘電体リラクサーと類似の磁気リラクサーと見なすことが出来ることから注目されている。そこで本研究では、相分離における反強磁性絶縁体相中の強磁性金属クラスターの振る舞いを知ることを目的に電荷・軌道整列Mn酸化物における交流複素誘電率測定を行った。その結果、得られた比誘電率の周波数依存性はDebyeモデルでよく説明でき、得られた緩和時間τの温度依存性がVariable range hopping(VRH)によく一致することを見いだした。またVRHの直線の傾きから求めた特性温度T_0は誤差の範囲内でBサイト置換量によらずほぼ同じことが分かった。 さらに昨年度に引き続きMn酸化物のゼーベック効果(熱電効果)の測定を行った。これは応用に向けて高い熱電変換効率の材料を開発する目的で、強相関酸化物が持つ軌道やスピンの自由度が高い熱電能を得るために有利に働くことを期待したものである。その結果、Aタイプ反強磁性金属とCタイプ反強磁性絶縁体の2相共存状態であるNd_<1-x>Sr_xMnO_3 x=0.63結晶において、比較的大きな電力指数(〜10^<-4>W/K^2m)が得られた。この値は酸化物で大きな電力指数を示すと言われているCo酸化物と変わらない値である。さらに比較検討するために、パイロクロア型Mo酸化物についてもゼーベック効果測定を進めた。
|
Report
(2 results)
Research Products
(13 results)