両親媒性分子混合系複雑液体の圧力誘起構造相転移における疎水性相互作用と秩序形成
Project/Area Number |
13740234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物性一般(含基礎論)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長尾 道弘 東京大学, 物性研究所, 助手 (90301150)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 中性子小角散乱 / 中性子スピンエコー / X線小角散乱 / 圧力誘起構造相転移 / 膜弾性率 / マイクロエマルション / 相対形状因子 / ソフトマテリアル / ダイナミクス |
Research Abstract |
AOT/水/アルカンからなる三元系マイクロエマルションにおいて、アルカンとしてデカン(炭素数10)及びヘキサン(炭素数6)を用いた場合の温度、圧力誘起構造相転移の様子を中性子小角散乱により測定し、この2種類の油による圧力効果の違いについて調べた。その結果、炭素数の変化に伴い、相転移温度、圧力は変化するが、形成される構造はほぼ等しいことが明確になった。この系の構造形成では、膜の自発曲率変化が自己組織化構造を制御することが明らかになってきた。その一つの証拠として、デカン系でもヘキサン系でも換算温度、圧力を導入することによって、様々な温度、圧力条件の構造パラメータのデータを規格化して表現することが可能である。ここでの相分離境界は膜の自発曲率にほぼ対応していると考えることができ、温度、圧力の変化による自発曲率変化が明確である。 一方、AOT/水/デカン系における中性子準弾性散乱測定から、圧力上昇による膜の硬化、温度上昇による膜の軟化の傾向を得ることができた。しかしながら、温度上昇、圧力上昇で形成される構造はほぼ等しい。このことから、膜の弾性率はマイクロエマルション系の構造形成に重要であるが、今回測定した温度、圧力領域においては、膜の自発曲率変化によって構造形成が制御されていると考えることができる。 さらに、AOT/水/デカン系の球状粒子濃度変化による構造変化を中性子小角散乱により調べた。これまでは、希薄系から濃厚系に至る濃度領域においての統一的な解釈の方法が確立されていなかったが、今回、中性子小角散乱データの新しい解析方法を提案し、測定した全濃度範囲において統一的な解釈を行うことができた。その結果、球状粒子濃度が60%以下の領域では、球状粒子半径は一定で、その濃度だけが変化しているが、60%を超えると、球状粒子の形状が変化している様子をとらえることに成功した。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)