Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
2000年10月6日に発生した鳥取県西部地震の余震域において独自の臨時余震観測を行い,そこで得られた地震波形を用いてS波スプリッティングの解析を行なった. 観測期間は次の3期間である.まず,本震直後の2000年10月9〜15日にかけて,余震域南端に近い鵜の池(UNO)に地震計を設置した.その後,2001年4月21〜24日にかけて,合計9点(震源決定用の観測点を含む)の観測点を設置した.断層直上には上記の鵜の池に加えて,吉岡ほか[2000]によってアスファルトのクラック群が発見された本震の震央地くの笹畑(SSB)にも地震計を設置した.さらに,2002年4月20日〜6月3日にかけて,震源断層上の観測点として賀祥(GASO)を加えて臨時観測を行った. 推定震源断層の直上に位置する観測点であるUNO, SSB, GASOにおいて,速いS波の振動方向の分布にN106-112°EおよびN148-157°Eという2つのピークが現れた.前者は水平最大圧縮応力方向と平行で,後者は推定震源断層の走向にほぼ一致する.したがって,応力場によって形成されたクラックと本震時の断層運動によって形成されたフラクチャ群がそれぞれS波偏向異方性の原因であると解釈できる. また,2つのピークを示す余震はそれぞれ異なった領域に分布しており,本震時に形成されたフラクチャが分布している領域が推定できる.推定したフラクチャ分布域は,各観測点の直下5km以浅である.また,2つのS波の到達時間差から見積もったフラクチャ分布域における異方性の度合は約2%である.
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