Project/Area Number |
13740308
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Petrology/Mineralogy/Science of ore deposit
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥地 拓生 名古屋大学, 環境学研究科, 助手 (40303599)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 高温高圧実験 / 微分干渉顕微鏡 / H20 / 融解曲線 / H2O |
Research Abstract |
ダイアモンドアンビルセルを用いた顕微鏡その場観察実験に対する新たな手法として、高温高圧力下での透過微分干渉観察法の応用を行った。 試料としたH20は、高圧力下で多数の安定な結晶相を持ち、圧力2GPa以上ではVII相が安定になる。その融解曲線は過去に複数の研究により測定されているが、圧力6GPa以上においては未だ一致した結果が得られていない。その理由として、氷が透明で光学観察時にコントラストがつきにくいことに加えて、圧力増加につれて液相と固相の間の屈折率差が減少することから、その場観察における融解の判定が難しいことが挙げられる。そこで本研究では、試料の微細な屈折率の違いを空間微分の形で強調することのできる、透過微分干渉法の応用を行い、温度410度、圧力10GPaまでの条件で加熱に伴って氷が融解する様子を観察した。このために対物レンズを試料に近づけ、対物レンズに合わせて設計した水冷ジャケットを顕微鏡に取り付けた。 昨年度に行った以上の実験に加えて、今年度は温度・圧力測定の精密化を行い、融解曲線の位置の精度向上を実現した。具体的には、圧力8GPaにおいて数時間の間、氷VIIと液体H20の共存状態を安定に実現させることにより、長時間の蛍光分光測定を波長分解能の高い分光器を用いて行うことができるようになった。これにより温度・圧力センサーとして用いている蛍光結晶の蛍光波長がより精密に決定できるようになり、融解曲線の誤差の評価が可能になってきた。得られた融解曲線は最近の結果(Datchi et al., 2000)と良く一致しているが、圧力8GPaでは数十度高温側に位置している。 未だ温度は400度程度とやや低くはあるが、高温高圧力下での安定な微分干渉観察が可能になったことから、当初の目的であった水-マグマ系のその場観察についても応用の可能性は見えてきたといえる。今後はより高温で安定な実験を行うために、ダイアモンドアンビルセルと対物レンズ水冷ジャケットの改良が必要である。
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