生体内プロトン移動反応における集団的量子トンネル運動
Project/Area Number |
13740322
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牛山 浩 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (40302814)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 化学反応動力学 / プロトン移動反応 / 半古典理論 / 多次元トンネル理論 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き5-メチルトロポロンにおける分子内水素移動反応を取り上げ、水素移動とトロポロン骨格の運動やメチル基の回転運動との相互作用の様子を詳細に調べた。第一原理MD法の結果を基に、詳細なポテンシャル面の調査を行い、(1)「メチル基の回転と水素移動は、直接のカップリングはなく、炭素骨格を介して弱く相互作用している」、(2)「メチル基の回転励起は、互変異性を起さない」ことを明らかにした。この結果は、互変異性を伴う水素移動反応でも一般的な現象であると考えている。 さらに、3-7ジクロロトロポロンにおいても、水素移動と骨格の運動についても調べた。第一原理MD法は時間がかかるため、水素移動に関して2次元、バスモードに関して5次元の反応局面(Reaction Surface Hamiltonian)を構築した。第一原理MD法を使った数本の古典軌道と反応局面上の軌道を比較し、その取り扱いの成否を議論した。その結果、水素移動に関しては、最低でも3次元、バスモードに関しては、ゆっくりとした面外モードを考慮しないといけないことが分かった。現在、修正を施した反応局面を作成中である。修正した反応局面上で、量子、半古典、古典動力学計算を行い、プロトン移動に対する集団運動、集団的量子効果の程を調べる予定でいる。 また、多重水素移動反応に関しては、ホルムアシド二量体、ホルムアミド二量体、ホルムアシド-ホルムアミド系の計算を行い、そのダイナミクスの違いを調べている。これらの系は、対称なポテンシャル、非対称なポテンシャル、極性の違う分子同士の会合体という違いがある。そのため、プロトン移動のメカニズムも違うのではないかと考えており、現在、第一原理MD法により、古典軌道の計算を進めている。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)