ピコ秒誘導ラマン断熱通過法による溶液中のコヒーレント分布移動
Project/Area Number |
13740342
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Hokkaido University (2002) Okazaki National Research Institutes (2001) |
Principal Investigator |
中林 孝和 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (30311195)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 異性化反応 / 分子内電荷移動 / ポリエン / スチルベン / 電場効果 / 誘導ラマン断熱通過法 / 時間分解分光法 / フェムト秒 / 溶液 / 振動励起状態 / 振動緩和 / 溶媒和 / カチオン / 電荷再結合 |
Research Abstract |
溶液中における化学反応の制御を目的とした研究を行っている。本年度は、PMMA膜中にドープされたスチルベンの異性化反応およびPush-Pull型ポリエン誘導体の分子内電荷移動反応が、外部電場印加によって制御できることを明らかにした。試料がドープされた薄膜に約0.5MV/cmの外部電場を印加することによって、スチルベンの蛍光が消光されることがわかった。蛍光を出す最低励起一重項状態からの異性化反応が外部電場によって促進されたため、無輻射緩和の速度が増加し、蛍光が消光されたと考えられる。Push-Pull型ポリエン誘導体においても、外部電場による分子内電荷移動速度の増加によって、蛍光が著しく消光されることを観測した。さらに超短光パルスレーザーによる時間分解電場蛍光分光システムを用いて、反応時定数の電場変化の解析を行い、また電場蛍光スペクトルの時間発展の測定も行った。現在、溶液中の超高速電荷移動の外部電場制御を目的として、高電場を印加できる溶液セルを製作している。昨年度製作した溶液内での誘導ラマン断熱通過システムを用いて、カロチノイドの一つであるカンタキサンチンの最低振動励起状態の分布制御の実験も行っている。550nm近傍の波長を持つ2本のピコ秒パルスを用いて振動励起状態へのコヒーレント分布移動を誘起させ、あるピコ秒遅延時間の後に,3つめのパルス光を試料に照射して,生成した振動励起状態からのアンチストークスラマン信号を測定する。最低振動励起状態からの信号強度の増加を観測し、誘導ラマン断熱通過による信号であることを確認するために、波長およびパルス幅依存性の実験を行い、理論との対応を検討している。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)