シクロブタジエンジアニオンの芳香族性の解明と合成試剤への応用
Project/Area Number |
13740347
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
松尾 司 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (90312800)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 芳香族性 / シクロブタジエンジアニオン / アルカリ金属錯体 / 反芳香族性 / シクロブタジエン / π電子系化合物 / かご型化合物 / テトラヘドラン / 有機リチウム化合物 / トランスメタル化 / 磁気円二色性スペクトル |
Research Abstract |
ケイ素置換シクロブタジエンを配位子とするコバルト錯体と金属リチウムとの反応により、ケイ素置換シクロブタジエンジアニオンジリチウム錯体を合成した。また、合成したシクロブタジエンジアニオンのジブロモエタンを用いた二電子酸化反応により、中性の4π電子系化合物であるケイ素置換シクロブタジエンに変換した。これはシクロブタジエンの新規な合成法であり、ヘテロ原子が4つ置換した初めてのシクロブタジエンである。さらに、シクロブタジエンに低温下、光照射することにより、最小のかご型化合物であるケイ素置換テトラヘドランに光異性化することに成功した。これは、ヘテロ元素が4つ置換した初めてのテトラヘドランである。正四面体骨格を有する分子構造をX線結晶構造解析により明らかにした。また、炭素骨格はp性の高い結合でできており、炭素-ケイ素結合は非常にs性の高い結合であることを核磁気共鳴スペクトルを用いた研究により明らかにした。このケイ素置換テトラヘドランは高歪みを有するにもかかわらず、高い熱安定性を有することが特徴である。 また、ケイ素置換シクロブタジエンの種々のアルカリ金属を用いた2電子還元反応について検討し、シクロブタジエンジアニオンジリチウム錯体、ジナトリウム錯体、ジカリウム錯体をそれぞれ合成した。アルカリ金属イオンは周期表を下にいくにつれてイオン性が増大するが、合成したシクロブタジエンジアニオンジアルカリ金属錯体はいずれも安定である。シクロブタジエンジアニオンでは四員環6π電子系による芳香族安定化寄与が大きいことを明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)
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[Publications] Maier, Ginther, Nuedert, Jorg, Wolf, Oliver, Rappusch, Dirk, Sekiguchi, Akira, Tanaka, Masanobu, Matsuo, Tsukasa: "Tetrakis(trimethylsilyl)tetrahedrane"J. Am. Chem. Soc.. 124・46. 13819-13826 (2002)
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