ビベンゾノルボルネニリデンより誘導した化合物における新規な遠隔隣接基効果
Project/Area Number |
13740348
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
杉原 儀昭 埼玉大学, 理学部, 助教授 (00272279)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | ビベンゾノルボルネニリデン / エピスルフィド / エピスルフィルイミン / 1,2-チアゼチジン / 隣接基関与 / 環拡大反応 / レギオ選択性 / [2+2]環化付加 / 塩化ベンゼンカルコゲニル / エピスルホニウム塩 / エピセレノニウム塩 / 開環異性化 / メチルスルホニウム塩 / 隣接基効果 / 立体効果 |
Research Abstract |
1)エピスルフィルイミンの合成,構造及び反応性 ビベンゾノルボルネニリデンの合成途上で得られる2種のエピスルフィドとクロラミンTをCHCl_3-CH_3CN混合溶媒中室温で反応させると対応するエピスルフィルイミンを収率良く与えた。これら化合物は、エピスルフィルイミンの最初の合成単離例である。これらエピスルフィルイミンを無溶媒下で加熱あるいは溶媒中室温で放置すると、環拡大反応が立体化学を完全に保持して進行し、1,2-チアゼチジンが得られることを明らかにした。環拡大時のレギオ選択性は、ビベンゾノルボルネニリデンのハロゲン付加やエピスルホニウム塩の異性化で観測された中間体の安定化とは異なった通常の隣接基関与の寄与によるものであり、遠隔隣接基効果によるものではないと推定される。エピスルフィルイミンの構造の詳細をX線結晶構造解析および赤外分光法で解明し、S-N結合は二重結合よりもむしろ分極した単結合の性質を有することを明らかにした。エピスルフィルイミンの窒素上が水素で置換された化合物を合成すべく脱トシル化反応を検討したが、目的とする化合物を得ることはできなかった。 2)アルケンの[2+2]環化付加を利用した1,2-チアゼチジンの合成 ビベンゾノルボルネニリデンとTs-N=S=0の反応がレギオ選択的に進行し,1,2-チアゼチジン1-イミドを中程度の収率で与えることを見いだした。1,2-チアゼチジン1-イミドにSmI_2を反応させると、1,2-チアゼチジンが中程度の収率で得られた。なお、本反応では窒素上のトシル基が脱離した生成物は観測されなかった。ビベンゾノルボルネニリデンとTs-N=S=0の両者の分子軌道をab initio計算の手法を用いて求めた結果、付加反応の機構は四員環遷移状態よりもむしろ段階的に二つの結合が形成される方が有利であることがわかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)