Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究は、1-(アリールセラニル)ナフタレンの8-位の水素をハロゲン(G=Br,Cl,(F))に置換した場合に、G, Se, C_iの3原子が直線状に並列し、その原動力が、n(X)---σ*(Se-C)の非対称なX---Se-C型の3中心4電子結合(3c-4e)の相互作用による安定化効果であることを見出したことに立脚している。 そこで本研究では、上記の成果を発展させ、研究対象をナフタレン環からアントラセンおよびアントラキノン環に発展させて5原子直線状の相互作用(5c-6e)に起因する構造と結合様式を解明した。具体的には、(1)1,8-ビス(アリールセラニル)アントラキノン(1,8-(p-YC_6H_4Se) C_<14>H_6O_2:1(Y=H,Cl,Me))および9-メトキシ-1,8-ビス(アリールセラニル)アントラセン(9-MeO-1,8-(p-YC_6H_4Se) C_<14>H_7:2(Y=H,Cl,Me))を合成した。(2)1および2のX線構造解析法によりその構造を決定し、C_i-Se---O---Se-C_iの5原子がそれぞれアントラキノン環およびアントラセン環と同一平面上で直線状に並列することを明らかにした。(3)非経験的分子軌道計算によって、このC_i-Se---O---Se-C_i原子直線状並列が、5c-6e型の非結合相互作用による安定化に起因することを明らかにした。また(4)1,2における5c-6eの寄与を再確認するために、9-位の原子が水素である化合物1,8-ビス(アリールセラニル)アントラセン(1,8-(p-YC_6H_4Se) C_<14>H_8:3(Y=H,Cl,Me))を合成し、X線構造解析法によりその構造を決定して、C_i-Se---H---Se-C_iの5原子が直線状には並列しないことを確認した。さらに、(5)1,2および3の硫黄誘導体を合成し、同様の検討を行ない、硫黄誘導体もセレン誘導体と同じ結果を与えることを実証した。
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