分子吸着ナノ粒子の表面プラズモン共鳴を利用した光誘起電子移動
Project/Area Number |
13740391
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
機能・物性・材料
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | ナノ粒子 / 表面プラズモン / 電子移動反応 |
Research Abstract |
金属は可視波長領域にブロードな表面プラズモン共鳴帯を持つ。表面プラズモン共鳴を利用した増感効果は、表面増感ラマン散乱(SERS)の他、SHGや蛍光、光学Kerr効果などにおいても見出されている。体積に対する表面積比の大きいナノ粒子では、バルクの金属に比較して、より効率的な表面相互作用が期待できる。そこで本研究は、表面増感効果をナノ粒子上での光誘起相互作用に拡張し、特に、銀ナノ粒子表面を触媒とするルテニウム錯体-ビオロゲン間の電子移動反応に応用することを目的とした。銀ナノ粒子は合成・粒子サイズ制御が比較的容易であり、安定性が高いという利点を有する。 昨年度の成果に基づき、本年度は、表面増感に適した種々のサイズ(38-173nm)のナノ粒子を調製し、マルチチャンネルナノ秒時間分解ポンプ-プローブ分光装置を用いて、YAGレーザーSHG(532nm)励起光による電子移動反応に対する増感効果を定量的に観測した。その結果、サイズ効果による表面プラズモン吸収波長シフトと増感効果の間によい相関があり、粒子サイズを制御することによって増感効率の最適化が可能であることを見出した。 さらに、増感効果のナノ粒子濃度に対する依存性を調べたところ、ある濃度以上でプラトーを観測した。この濃度は粒子サイズに依存し、またこの濃度以上では吸収スペクトルに新たなバンドが生成することから、高濃度ではナノ粒子の凝集が起こり増感効果が飽和すると結論した。これらの知見は、ナノ粒子光触媒のプラズモン増感機構を理解し応用する上で有用である。 また、レーザーパルスとナノ粒子表面の相互作用が、バルク金属表面の場合とどのように異なるかを定量的に検討する目的で、各種金属のレーザー誘起ブレークダウン分光測定も行った。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)