多価アントラセンデンドリマー分子の開発とその機能性に関する研究
Project/Area Number |
13740393
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
機能・物性・材料
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
高橋 雅樹 静岡大学, 工学部, 助手 (30313935)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | アントラセン / デンドリマー / 蛍光発光 / エキシマー発光 / 電荷移動錯体 |
Research Abstract |
本年度は、アントラセンデンドリマーの光化学的特性の詳細および分子表面にアミノ基を有する誘導体合成について検討を行った。アントラセンデンドリマー分子とその類縁体であるデンドロン分子の蛍光発光特性について検討したところ、デンドロン分子と比べデンドリマー分子はその発光効率が60%減少しており、吸収した光エネルギーが分子内の他の発色団に移動していることが明らかとなった。以前、デンドリマー分子の発光現象において、非極性溶媒を使用した測定により分子内エキシマー発光が観測されたとしたが、詳細な分析の結果、これは分子内エキシマー形成によるものではなく、微結晶中においてデンドリマー分子同士が積層し生じた分子間エキシマー形成によるものであることが明らかとなった。デンドロン分子のX線結晶構造解析を行なったところ、二つのアントラセン基同士は互いに相互作用が認められない距離と二面角にて分子配座が安定化しており、デンドロン分子内でのエキシマー形成が不利であることが明示された。以上のことから類推することにより、デンドリマー分子は本質的に分子内エキシマー形成に不利な構造にて構築されていることが示された。また、このデンドリマーの分子末端にジメチルアミノ基を有するデンドリマー分子の合成を試みた。分子末端にフタルイミド基を有するアントラセン誘導体を合成し、従来の合成法に適用することにより、分子表面にフタルイミド基を置換したデンドリマー分子を得た。フタルイミド基の除去によりアミノ基に変換し、続くジメチル化により分子末端にジメチルアミノ基を有するデンドリマー分子の合成に成功した。このデンドリマー分子は一般的な有機溶媒に良好に溶解するとともに、酢酸水溶液など酸性水溶液にも可溶であることから、外部カチオン種やpHに応答する蛍光分子センサーへの応用展開を期待することができる。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)