新規含セレン電子供与体を用いる分子性超伝導体の開発
Project/Area Number |
13740399
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
機能・物性・材料
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
瀧宮 和男 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40263735)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 有機超伝導体 / 高伝導性錯 / ラジカルカチオン塩 / 有機合成化学 / セレン原子 / 導電性物質 / X線構造解析 / 高伝導性錯体 |
Research Abstract |
本研究は、研究代表者が見出した新有機超伝導体、(MDT-TSF)-AuI_2塩(MDT-TSF:メチレンジチオテトラセレナフルバレン)に関する知見がシーズとなっているが、昨年度、この物質が有機超伝導体としては異常な不整合格子を持つことを突き止め、さらに、MDT-TSFをドナーとして用いた電気化学的結晶化により、新たに4種の超伝導体を見出している。 本年はこれらの知見を基に、周辺化合物の徹底的な探索を行い新規超伝導体4種を見出した。また、類似の化合物を含めた一連の化合物が同型の結晶構造を保ちながら、低温において(1)超伝導転移する系、(2)安定な金属状態を保つ系、(3)比較的高温(100K程度)で金属-絶縁体転移を起こす系の三種類に分類できることを見出した。これらは有機ドナー中のセレン原子の位置、数が大きく影響していると考えられ、分子自体の構造が物性パラメータとして直接作用している興味深い一群の有機導体であることを明らかにした。 一方、新規ドナー開発においては、MDT-TSFの合成法を応用することで、縮合硫黄環の環サイズの異なる一連の化合物の合成が容易に行えるを明らかにした。この方法を用いれば従来合成が困難で物性研究の対象になりえなかった化合物に加え、既存の合成法では合成不可能であった化合物も得ることが出来るため、本合成法が今後の有機導体研究にとって有用性の高い手法であると期待される。 以上のように、今年度の本研究において、 (1)新たな有機超伝導体を発見と周辺化合物の探索、及び (2)TSF系電子供与体の汎用合成法の開発、 という成果を得た。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)