軟X線共鳴発光分光法による3d遷移金属錯体の電子構造観測
Project/Area Number |
13740405
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
機能・物性・材料
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
初井 宇記 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (40332176)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 軟X線 / 電子相関 / 原子・分子 / 化学結合 / 金属錯体 / 内殻励起 |
Research Abstract |
筆者らは、3d遷移金属錯体の金属L殻吸収スペクトルに現れる特徴的な配位子への電荷移動を伴うバンド(MLCTバンド)の起源について、これまで理論・実験両面から明らかにしてきた。 本課題ではこれらのMLCTバンドに共鳴したときの共鳴発光分光を行い、内殻励起と発光を伴う脱励起について調べることが主目的であった。平成13年度にスウェーデン国立Max-Labにてニッケルジメチルグリオキシムの共鳴発光実験を行った。高分解能スペクトルを測定することに成功し、またラマンテンソルの異方性に関する情報も得ることができた。その結果、MLCTバンドに共鳴することにより、一電子的な終状態のみが発光スペクトルに強調されて観測されることが明らかとなった。その結果は、分子構造討論会で発表した。現在、理論計算をおこなっているが、分子が大きい上に電子相関が強く、計算に難航している。実験結果の定量的な解釈を行っており、まとまり次第論文として公表する予定である。 また、簡単な分子でも多電子励起状態は観測され、これまで活発に研究されてきた。今回窒素分子について解離フラグメントの異方性を測定することで、吸収の異方性に関する情報を詳細に得ることに成功した。その結果2電子励起状態だけでなく3電子励起状態もイオン化閾値をこえた連続状態に埋もれていることを明らかにすることができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)