光学活性アンモニウムフルオリドの創製と不斉合成への応用
Project/Area Number |
13740410
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物質変換
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大井 貴史 京都大学, 理学研究科, 助教授 (80271708)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 光学活性アンモニウムフルオリド / 有機触媒 / ニトロアルドール反応 / シリルニトロナート / エナンチオ選択性 / ジアステレオ選択性 / アルドール反応 / アンモニウムフルオリド / エステル化反応 / 相間移動 / 不斉合成 |
Research Abstract |
固相-液相相間移動条件での光学活性四級アンモニウムフルオリドの簡便な系内発生法を確立し、不斉合成への応用の端緒を得た前年度の成果を基盤とし、本年度は光学活性四級アンモニウムフルオリドを有機触媒とする不斉合成プロセスを一般的なものとするため、有機合成化学におけるケイ素-フッ素間の親和性を利用した各種の炭素-炭素結合形成反応への適用を中心課題として研究に取り組んだ。その結果、既に開発したC_2対称軸を有する光学活性N-スピロ型アンモニウムフルオリドに対してそのビフルオリドが比較的安定で取り扱いやすく単離可能であることを見い出し、これが置換型ニトロアルカンから誘導されるシリルニトロナートとアルデヒドとの不斉ニトロアルドール反応の極めて高活性な有機触媒として機能することを明らかにした。ここでは、触媒の構造と反応性、選択性の相関についての詳細な検討を行い、精密な分子修飾に基づいた高い触媒活性とジアステレオ及びエナンチオ選択性の獲得に成功している。特に、本反応システムは芳香族アルデヒド類を基質とする系に有効であり、しかもアンチ体が選択的に得られることは興味深い。さらに、反応の遷移状態の構造についての知見を得るため核磁気共鳴スペクトル測定を行ったところ、本反応がキラルなアンモニウムニトロナートを経由して進行するという結果が得られ、従来のシステムとは異なるアンチ選択性は非環状型の遷移状態を考えることで説明できることがわかった。この結果を基に、α,β-不飽和カルボニル化合物への共役付加反応等、他の基本的な炭素-炭素結合形成反応への応用についても既に基礎的な知見が得られており、本研究の意義と今後の可能性を明確に示すことができたと考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)