Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Research Abstract |
昨年度までの解析によって,シロイヌナズナのArf1 GTPaseの優性阻害型変異の発現は,植物細胞内のゴルジ体膜タンパク質の局在に対して,タンパク質の種類によって異なる二タイプの効果を及ぼすことが示されていた.一つ目は,変異体との共発現時に,ゴルジ体マーカーAtErd2-GFPを小胞体に局在化させるという効果である.二つ目のタイプは,別のゴルジマーカーであるGFP-AtRer1BとGFP-AtSed5に対しGDP固定型変異と共発現させた場合には,通常のゴルジ局在に影響を与えないが,GTP固定型変異と共発現させた場合には,核周辺部にゴルジ体の集合・密集を引き起こすという効果である. 今年度,この現象を詳細に検討するために,小胞輸送の阻害剤であるBrefeldin Aを用いて,各ゴルジマーカーに与える効果を解析した.意外なことに,BFAは,濃度によらず,AtErd2-GFPに対しては小胞体への局在化を引き起こしたが,GFP-AtRer1BとGFP-AtSed5に対しては,通常のゴルジ局在に影響を与えなかった.これらの結果から,Arf1の優性阻害型変異ならびにBFAは,ともに,植物内の小胞体からゴルジ体への順方向輸送ならびにゴルジ体から小胞体への逆方向輸送に対して類似した効果を持つことが明らかになった.現時点では,ゴルジマーカーによって,観察される表現型が異なる点に関して,各マーカーのfolding timeの違い,もしくはマーカーの輸送される経路の違い等が関与しているのではないかと推察している.また,Arf1自身の細胞内局在に関しても,Arf1-GFPを用いた解析からBFA感受性のゴルジ体局在をすることを証明した.以上の結果から,植物のArf1 GTPaseが,植物細胞内の小胞体-ゴルジ体間輸送において必須な機能を果たしていることを明らかにし,今年度,論文発表した.
|