キンギョの恐怖条件付け過程における小脳ニューロンの役割
Project/Area Number |
13740479
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
動物生理・代謝
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉田 将之 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 助教授 (70253119)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | 学習 / 古典的条件付け / 小脳 / キンギョ / 情動 |
Research Abstract |
1.不動化キンギョにおける、情動性条件付けに関わる小脳領域を同定するため、特に小脳体に注目して局所破壊実験を行った。条件刺激としては魚体右方においた発光ダイオードの点灯を用い、無条件刺激として体表への弱い電撃を与えた。条件反応として除脈反応を観察した。その結果、局所破壊部位と学習成績との間に明白な関係は認められなかったものの、条件刺激を与える側とは反対側の小脳体の損傷が大きい方が学習効率が悪くなる傾向があった。 2.上記条件付けに関わる小脳ニューロンを同定するため、まず、小脳を構成しているニューロン種と細胞外記録波形との関係を明らかにした。細胞外記録にはタングステン電極を用い、記録部位を焼灼標識することにより、記録部位と小脳の細胞構築との関係を解析した。その結果、プルキンエ細胞におけるシンプルスパイクとコンプレックススパイク、顆粒細胞のスパイク、および広樹状突起細胞のスパイクと思われる波形の特徴を記載することに成功した。 3.条件付け過程における小脳ニューロン活動の記録に成功した。その結果、プルキンエ細胞のものと思われるスパイクの発火頻度が学習の進行に伴って変化することを見いだした。すなわち、条件付け前には条件刺激に対して何ら反応しなかったのに対し、条件付けが成立すると、条件刺激呈示中に顕著に発火頻度が減少した。これは、条件付けによって小脳のニューロン連絡に可塑的な変化が生じたことを示している。このニューロン活動の変化が、学習課程においてどのような役割を担っているかはあきらかではないが、情動状態の想起もしくは表出における脳の状態を表現している可能性がある。この実験系は、情動性の学習に関わるニューロンネットワークの解明に大きく貢献するであろう。
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)