Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
厚さ数nmの薄膜を積み重ねた多層薄膜が作成されており,デバイス材料への応用が期待されているため,その機械的特性の評価が求められている.量子力学に基づく厳密な解析手法である第一原理分子動力学法を用いて,ナノ多層薄膜の構造および機械的特性を明らかにすることが本研究の目的である. まず,薄膜における原子構造および原子間結合状態の基本的特性を明らかにするため,平面波基底ノルム保存擬ポテンシャル法による第一原理分子動力学計算を用いて,シリコン基板(半導体材料)上へのアルミニウム原子(金属材料)の堆積プロセスシミュレーションを行い,第3層目までのアルミ原子層の形成過程を観察した.また,第一原理引張りシミュレーションにより,基板上のアルミニウム原子の付着強度を求めた. ナノ薄膜では界面の拘束により局所的に高ひずみ状態となることが指摘されており,高ひずみ条件下での材料の機能変化が重要である.そこで,剪断ひずみを受けるシリコンの理想強度と電気的特性の関連を第一原理シミュレーションによって調べた.剪断理想強度を求め,原子間結合状態の変化との関連について検討した.また,バンドギャップは比較的小さいひずみで消滅することを明らかにした. さらに,ナノスケール〜原子スケールの微細構造を持つ材料の破壊挙動・破壊開始条件を明らかにするため,原子構造体の変形に対する不安定性を評価する手法を提案した.この手法を用いてアルミニウムナノ薄膜の理想強度解析を行った結果,薄膜の理想強度は膜厚の減少に伴って単調に減少し,膜厚10nm以下で強度低下が著しいことを明らかにした.
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