塑性波伝播形態を考慮した超高速切削機構の材料物理学的検討
Project/Area Number |
13750093
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
機械工作・生産工学
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
篠塚 淳 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30282841)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 塑性波 / 超高速切削 / 熱弾塑性有限要素法 / 切削加工 / 流動応力特性 / 衝撃波 / 動的陽解法 |
Research Abstract |
切削速度が被削材材料の塑性波伝播速度以上となる超高速切削過程では,塑性波が衝撃波となって伝播するため,せん断面では非常に高い静水圧が発生する.このため超高速切削過程では工具すくい面に非常に高い応力が発生する. この現象をまず動的熱弾塑性FEMシミュレーションソフトウェアを新たに開発しシミュレーション上で確認した.本シミュレーションでは,切りくずと工具の動的弾塑性接触問題を解析できるように,変位と温度に関するペナルティ係数を新規に提案した.シミュレーションでは,低炭素鋼S15Cを超硬P20工具で切削する場合を想定し,切削速度50m/sから700m/sで解析を行った.S15Cの材料特性より,本切削条件での塑性波伝播速度は100m/s以上である.そのため切削速度100m/s以下では,切削速度が切削機構に及ぼす影響はほとんど無いが,切削速度が400m/sを超えると,せん断面の静水圧の影響が顕著になり,せん断角は40°に至るにも関わらず急激に切削力が高くなることが分かった.すなわち通常は切削速度を増加させると切削力は熱軟化により減少していくと考えられているが,切削速度が塑性波伝播以上の速度になると切削力は急に増加することになる. この現象を実際の切削実験で確認するために,本研究で開発した圧縮空気を用いた衝撃切削試験装置で実験を行った.本試験装置は最大60m/sの二次元切削が可能ではあるが,通常の鋼の塑性波伝播速度以下である.そこで被削材に塑性波伝播速度の小さい鉛を用いて実験を行った.その結果シミュレーション結果と定性的に同じ結果が得られ,超高速切削過程では,せん断角が高く薄い切りくずを生成するにも関わらず,切削力が高くなることが分かった.
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)