Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
Cold Spray(コールドスプレー)は,溶射材料の軟化温度または融点に比較して低温な(高々500℃程度)超音速ガスのノズル内流れの中にその材料粉末を投入し,加速させて高速度(500m/s以上)で基材に衝突(衝撃溶融に近い状態)させて皮膜を作製し,ロシアで発明され,米国,ドイツで研究・開発中の技術で,21世紀の新しい表面改質技術として注目を集めている。 本研究は,(1)コールドスプレー技術のさらなる解明と確立,および(2)この技術を応用した新しい低温超音速ガスジェット利用のワイヤアーク溶射技術の確立など基礎的研究を目的とし,本年度は以下を行った。 ・コールドスプレーの試作装置の改良(ノズル形状,粉末供給装置など) ・超音速ガスジェットを利用したワイヤアーク溶射装置の試作とノズル形状の最適化 ・皮膜特性に及ぼす溶射条件の影響の検討 新たに得られた知見や業績などを以下に示す。 1.Cold Sprayにより多種の金属の成膜(銅,アルミニウム,ハステロイ,チタンなど)し,超硬は薄膜ではあるが成膜した。さらに,Cold Sprayに適した材料粒子径は,材料にもよるが約5〜25μm程度であった。 2.Cold Sprayの問題点として,ほとんど溶融しない粒子でもノズル内壁面に衝突・堆積し,場合によりノズルを詰まらせることがわかった。 3.低温超音速ガスジェットを利用したワイヤアーク溶射装置では,材料に5mass%Al-Znワイヤ使用し,溶射粒子が微細化・高速化して皮膜の密着力が21MPaと従来のアーク溶射装置の4倍以上となった。また,ガンのトラバース速度が皮膜密着力に影響を及ぼした。 4.本年度,学会発表(6件,うち国際溶射会議1件),ホームページ(http://mplab.shinshu-u.ac.jp/)などにより,国内の大学,企業などへのコールドスプレー技術を周知し,依頼講演3件,訪問した企業・研究機関8社(うち,共同研究2件,皮膜の試作:4社)の実績を残すことができ,新たなアプリケーションの開発につながりつつある。さらに,特許3件の申請を準備中である。
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