Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
本研究では,異方性エッチングにおいて,レーザなどによりシリコン表面を光励起することでエッチ速度を増加させる加工法(Laser-Assisted Etching ; LAE)の確立を試みてきた.レーザにはエキシマレーザを採用し,試料(シリコン)に熱損傷を与えずにレーザ照射部のみの加工を行った. これまで,エキシマレーザの加工エネルギをインプロセスで計測し,フォトンエネルギと加工速度の関係を調べてきた.得られた結果としては,(1)エネルギ密度を大きくすると加工速度は増大する傾向にあるが,エネルギ密度を大きくしすぎると加工面から発生する気泡のためにレーザ光が遮蔽されてしまい,加工能率が極端に低下する,(2)エネルギ密度が大きいケースでは,加工面の粗さが大きくなり加工目的によりエネルギ密度の調節が必要となる,(3)加工速度はレーザの繰り返し周波数に比例して大きくなる,などが挙げられる. そこで,前述した本加工方法の特性を利用して,研究の目的である創成形状の多自由度化を試みた.まず,前加工でレーザプロセッシングあるいはLAEを行い,最終加工としてKOH水溶液(濃度35wt%,温度60℃)中で異方性エッチングを行った.前加工で創成された加工形状において,側面と底面から同時にエッチングを開始させることにより,マスクを用いた異方性エッチングより自由度の高い規則形状を創成することが可能になった.また,前加工で異方性エッチングよりも大きな速度で加工することから,加工能率の向上もした.具体的には,(100)基板を加工したものは開口部から広がる方向の{111}面が現れたオーバハング形状が得られた.これは,異方性エッチングやレーザ加工などの加工法を単独で適用した場合には得られにくい加工形状である.また,(110)基板を加工したものは基板表面に対して垂直な{111}面が現れており厚さ300μmの基板が3時間で貫通した.異方性エッチングのみで厚さ300μmの基板を貫通するには10時間以上かかるため,本手法によりシリコンが効率的に加工されていることが確認された. 光励起プロセスを併用した異方性エッチングにより,シリコンの結晶性に拘束される範囲内ではあるが,自由度の高い構造の加工が可能になった.
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