Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
自動車用鋼板等に代表される冷延鋼板(連続柔軟媒体)は,多数のローラによって支持されて、圧延,メッキ,塗布,乾燥などの工程を経ながら搬送され,最終的にロール状に巻き取られて製品化される.このような連続柔軟媒体搬送システムにおいては,エネルギーロスの削減,塗布むら,傷発生などを極力抑えた製品歩留まりの向上,生産性の向上を目的として長大な連続ラインを構成するのが一般的である.その際,媒体と駆動用ローラ間における周辺空気の巻き込み現象にともなうトラクションの低下とそれに起因するスリップ・蛇行運動の発生,搬送方向の変換時における媒体とロールの接触,媒体とローラ間の摩擦など,解決すべき重要課題が数多く存在する.しかしながら,これらの課題は従来個々の生産現場において蓄積されてきた経験的技術によって処理されてきており,学理に基づいた系統的なアプローチによる取り組みは産業界からの強い要望にもかかわらず,ほとんどなされていないのが現状である.実際の製鉄所の鋼板連続熱処理工程を考えた場合,特にローラ支持間の長い乾燥工程などでは,ローラ部から発生する外乱が波動を生成し,これが媒体中を伝播することによって弾性振動と複雑に組み合わさる問題が考えられる.さらに,媒体そのものが高速走行していることからも,力学的に大変興味ある現象を発生することが予想される.このような,走行する連続柔軟媒体における波動・振動が同時に発生するシステムへの非接触制御系設計技術,それを支援する媒体挙動シミュレーション技術の確立は学術的にも工業的にも重要である.そこで,本研究期間では以下の問題の解決を行った. 1.高速走行状態における連続媒体の力学的挙動を把握するために,鉄鋼プロセスを模擬した実験装置を製作し構築した理論モデルの妥当性を確認した. 2.本システムに最適な制御系を設計し,計算機シミュレーションによって設計手法の妥当性を明らかにした. 3.デジタル制御を実施し,理論と実験の比較によって構築した制御系の有効性を明らかにした.
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