Research Abstract |
本申請研究では,「移動しながら物体を把持する動作」という目標タスクを設定し,移動マニピュレータの動作計画手法の構築を行い,さらに実環境内でのこの動作の実現を目指して研究を進めてきた.この動作には,走行中にロポットの自己推定位置に生じる誤差が累積し,これにより手先の推定位置にも誤差が生ずるという問題がある.そこで,センサフィードバックを用いた手先の位置修正を,手先に搭載したCCDカメラを利用して行うこととした.この際,目標物体に対して,手先が相対的に静止する動作を行うことが望ましい.また,手先の位置修正を行うためには,常に手先の操作性を保つ必要がある.そこで,本申請研究では,ロボットが走行中,マニピュレータの手先を対象物体の上方に位置したまま,手先の操作性を一定以上に保ちつつ,把持動作を行う動作計画を行うこととした.ここで,手先の操作性を表す指標として,可操作度を利用することとした. さて,マニピュレータの手先を対象物体の上方に位置した場合でも,ベースロボットの位置は,移動マニピュレータの冗長性のため一意に決まらない.そこで,手先を固定した時に,可操作度がある一定値以上となるベースロボットの位置の集合を可操作エリアと定義した.本申請研究では,このエリアを利用することで,ベースロボットの走行経路を決定し,これを用いた移動マニピュレータの動作計画手法を確立した.また,この計画した動作について,動作シミュレータを用いて動作確認を行い,この動作計画手法の有効性を確かめた. 現在,この動作計画アルゴリズムを実機上に搭載し,動作実験を行っているが,マニピュレータの動作精度の問題や,マニピュレータの特異点付近における動作の問題などにより,実機上で動作を実現するまでには至っていない.このため,本申請研究が終了後も,引き続きこの研究を継続する予定である.
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