Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本研究は,カバリングと呼ばれる繊維加工工程に着目し,ストレッチ織物に用いられる極細高弾性糸(スパンデックス)を加工機に仕掛ける作業の自動化を進める目的で,スパンデックスを自由にハンドリングする為に必要な基礎的技術の開発を行っている.スパンデックスはナイロンやポリエステルに比べ伸縮性が高く,張力を保持したまま軸方向に大きくひずむ一方,糸の剛性が低いため張力を除くと糸自体がからまってしまう.本年度は,ハンドリング時に必要な量の糸をパッケージから安定した張力で解じょする技術を開発するために,糸をパッケージから引き出す際の張力の変動について検討した.スパンデックスの張力を実験的に求めるため,専用の張力計を試作し,糸を巻き取りローラに定速で巻き取ることで引張した.手作業で仕掛けをするようにパッケージの軸方向に糸を剥離した場合の張力は,1回転に1度ねじれが生じることやパッケージのエッジとの摩擦のため変動が大きくなり,制御しにくいことがわかった.次に,必要な長さの糸を逐次送出することで張力を制御できるように,パッケージの外周を接触ローラで積極的に回転させる解じょ装置を試作した.この装置は常にパッケージの接線方向に糸を剥離する.実験の結果,解じょに必要な張力は大きく変化しなかったが,張力の変動を5%以内に安定させることができた.また,糸を引き出す速度にほぼ比例して張力が高くなることがわかった.さらに,糸の残量が少ないものほど,表面から糸を剥離するために必要な力が新品に比べ数倍大きくなることがわかった.これは,外層に巻かれていた糸が内層の糸を圧縮することで糸同士が強固に噛み合うためであり,スパンデックス特有の現象と思われる.以上から,パッケージを積極的に回転させ糸を引き出す方法は,糸のハンドリングに際し有効であることがわかった.
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