有機半導体超薄膜のイオン分極制御と高効率光電変換に関する研究
Project/Area Number |
13750267
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
伊東 栄次 信州大学, 工学部, 助手 (50303441)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 有機半導体 / イオン分極 / EL / キャリア注入 / 電界変歪 / 光電変換 / 酸化チタン / ヘテロ接合 |
Research Abstract |
本研究ではイオン性不純物を微量添加した高分子系有機EL素子について、前処理として加熱処理と電界処理を行うことでイオン分極を形成させることでキャリア注入制御が可能となり、有機EL素子の駆動電圧を20V以上であったものを10から15V、30%から50%と大幅に低減させるだけでなく、電流に対する輝度特性(EL効率)が10倍以上増加することを見出した。特に、添加するイオンとしては電位窓が広い化学的に安定な材料が望ましい。例えば、添加するイオン対のカチオンをLi^+から(C_2H_5)_4N^+などの比較的大きな代表的支持電解質塩に変えると、分極による特性向上の持続時間が数時間のオーダーであったものが数100日から数年のオーダーに大幅に向上し、実用レベルの有機EL素子への適用が可能であることも本研究によりはじめて見出された。なお、一連の分極効果は100℃程度で熱処理により消去可能で、再び分極形成すれば何度でも再現可能である。すなわち、本研究の遂行により有機半導体素子に微量のイオン性不純物ドーピングとその後の分極処理により、容易に電流から光への変換効率を大幅に向上可能であることが明らかとなった。 また、N型酸化物半導体である酸化チタン上に吸光係数が大きなP型有機半導体膜(色素)を膜厚100nm程度となるように形成した新規PN接合型光電変換素子についても検討した。吸光係数が大きなP型色素の多くは移動度が低く吸収スペクトル幅も狭いために、擬似太陽光に対する電力効率は0.001%にも満たない低いものであった。そこで、高い正孔移動度を有する正孔輸送材料とP型色素をブレンドし、さらに上記イオン性不純物をドーピングしたところ0.01%以上(単色光に対する量子収率は3%以上)まで効率が向上し、イオン分極処理との併用によりさらなる特性向上が実現できた。また、色素をポルフィリン系材料からレーザ色素として知られるクマリン系に変えることでブレンド層が効果的なバルクヘテロ接合となり、単色光の量子収率11%、擬似太陽光での電力効率も0.2%まで向上し有機太陽電池実現への期待が高まった
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)