高分子絶縁材料中の不純物が絶縁特性に与える影響の解明と直流ケーブル用材料の開発
Project/Area Number |
13750285
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
平井 直志 早稲田大学, 理工学部, 講師 (30329122)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | 低密度ポリエチレン / 架橋ポリエチレン / 電力ケーブル / 架橋構造 / 電荷トラップ / 絶縁劣化 / 空間電荷 / 脱気処理 / 光劣化 / 残留電圧 |
Research Abstract |
上記の研究課題において、今年度得られた研究実績は以下の通りである。 (1)架橋ポリエチレン(XLPE)フィルムのみの空間電荷分布を測定したところ、低密度ポリエチレン(LDPE)中にアセトフェノンを浸透させた場合と同じ傾向を示した。このXLPEフィルムのフーリエ赤外吸収分光測定より、XIPE中には元々架橋剤分解残渣のうち少なくともアセトフェノンは残存しており、このアセトフェノンはXLPE中における空間電荷形成を支配していることがわかった。 (2)XLPE中に元々存在する架橋剤分解残渣を除去するため、約80℃で1週間の真空脱気処理を行ったXLPEフィルムのフーリエ赤外吸収分光測定より、架橋剤分解残渣のうち少なくともアセトフェノンは、XLPEフィルム中から除去できたことを確認した。これより、XLPE中に元々存在するアセトフェノン除去のためには、本実験条件で行った真空脱気処理は有効であることがわかった。 (3)未処理XLPEフィルムおよび脱気処理済みXLPEフィルム中にクミルアルコールが浸透した場合の空間電荷分布は、クミルアルコールが注入電荷をトラップすることによるホモ電荷の形成が見られたLDPEフィルムの場合と同じ傾向であった。これより、ポリエチレンの架橋構造はポリエチレン中におけるクミルアルコールの注入電荷トラップ作用に影響していないことがわかった。 (4)XLPEフィルム中にアセトフェノンが浸透した場合の空間電荷分布では、ヘテロ電荷の蓄積が見られた。これは、LDPE中にアセトフェノンが存在した場合、電荷の移動が促進されるとした結果を指示するものである。また、アセトフェノンは水分と共存することによりイオン性の電荷を形成するとした報告より、このヘテロ電荷の起源はアセトフェノンと水分の共存によるものであることがわかった。
|
Report
(2 results)
Research Products
(27 results)