Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
既に提案しているカオス乱数を用いた確率的2値ニューラルネットワークを用いて,代表的な組合せ最適化問題の一つである巡回セールスマン問題の最小解探索を行い,その性能を評価した.主な研究成果は以下の通りである. 1.従来の確率的手法であるランダムホップフィールドネットワークやボルツマンマシンとの比較を計算機シミュレーションにより行った結果,提案した確率的2値ニューラルネットワークの方が,制約条件を満足しやすく,平均的により短い経路を得ることができることを確認した. 2.確率的ニューラルネットワークで最小解探索を行った場合,極小解に陥らずに最小解へ到達することが可能であるが,限られた時間内に得られる解の質は必ずしも良くない.そこで,得られる解の質を向上させるために2-opt法と呼ばれる手法を導入した.これは,経路が交差している所を繋ぎ変えていく手法であり,決定論的な手法で解の質の向上を行うことが可能である.この2-opt法を確率的2値ニューラルネットワークと組合せた手法を提案し,これが巡回セールスマン問題の最小解探索に有効であることを計算機シミュレーションにより確認した.しかし,依然として多くの計算時間を要することも確認した. 3.上記2で提案した手法における計算時間の増大への対策として,都市配置をいくつかのエリアに分割し,まず各エリア内での最小解を探索し,その後,各エリア間を適切に連結する手法を提案した.これにより,計算時間が大幅に削減可能であるとともに,解の質も向上することを計算機シミュレーションにより確認した. 4.ニューラルネットワークではないが,ホップフィールドネットワークとこれを確率的にしたボルツマンマシンとの関係に着目し,上記の2-opt法を確率的にした「確率的2-opt法」を提案した.確率などの適切なパラメータを設定すれば,比較的短い計算時間でも質の良い解が探索可能であることを計算機シミュレーションにより確認した.
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