Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究では,ビヘイビアアプローチの枠組みでのシステム解析に関する有用な基礎理論の開発を目的として,二次差分形式に基づく消散性理論の構築を行っている.本年は後半の1年であり,昨年に引き続き,この1年間で研究当初に計画した内容にほぼ従う形で研究を遂行することができた.大きく分けると以下の4つの成果を得ている. 昨年,二次差分形式を用いた離散時間における消散性の基礎理論のさらなる構築として,システム内部に蓄えることができるエネルギーがシステムの状態の二次形式で表されるという性質は一般には成立せず,蓄積関数が準正定な場合にその性質が成立することを示したが,今年は,それに対していくつかの重要な修正を加えて完全なものにした.そしてその結果をまとめた論文に対してSIAM journal on Control and Optimizationへの掲載が決定した. 次に,昨年,オランダのMaastricht大学のDr.Paolo Rapisardaとの共同研究により,離散時間消散性のシステム同定への応用であるH_∞規範に基づくMost Powerful Unfalsified Model(MPUM)について,そのモデルが存在するための必要十分条件およびモデルのパラメトリゼーションをスカラーの場合に関して求めることができたが,今年も引き続き行い、いくつかの重要な修正を行った.そしてその結果をまとめた論文に対してSystems and Control Lettersへの掲載が決定した.さらに,この延長として,行列の場合について,いくつかの考察を行い、重要な結果を得た. 次に,離散時間二次差分形式の応用として.ビヘイビアアプローチのH_2制御問題を離散時間の場合について完全に解いた.なお,その基礎として連続時間の場合に関しても解くことができ,システム制御情報学会への掲載を決定させることができた.さらに,これらの結果の応用としてフィルタリング問題へも着手し,いくつかの基礎的な結果を得ている. また,離散時間二次差分形式のもう一つの応用として,離散時間リアプノフ方程式についてもビヘイビアアプローチの枠組みで考察し,いくつかの基礎的な結果を得た.具体的には,多項式で記述することにより,従来の結果を包含する形でより一般的な結果を得ることができた.
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