Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
本研究では,経路の空間的な重複を考慮したGEV型の経路選択モデルについて,その選択肢構造の記述法を整理するととともに,配分原則ごとにネットワーク構造と混雑現象に基づく配分結果の違いについて数値解析を行った. GEV系モデルの中でPCLモデル,LNLモデル,MNLモデル,NLモデル,GEVモデルをとりあげ,交通ネットワークにおける経路選択肢の構造化プロセスを整理した.LNLモデルが通常のCNLモデルと異なり,上位ネストにリンクを下位ネストに経路をとることで,アロケーションパラメータにより帰属確率を表現できることを示した. 次にBraessのネットワークを例にとり,確率的利用者均衡配分の配分原則をMNLモデルとLNLモデルとした場合の容量のパラドクスについて比較検討を行った.ネットワークの空間構造の変化に対して,MNLモデルは感度がみられないのに対して,LNLモデルでは空間認知構造を考慮しており,配分結果に違いがみられた.また交通混雑が発生した場合,MNLモデルは重複の高い経路を避けるが,この際,容量を大幅に上回る交通需要が発生しない限り,重複経路の影響に対する感度は見られず,容量制約つきの交通量配分を行った場合では,経路重複の影響をMNLモデルでは表現できないことが明らかとなった.この結果,LNLモデルで配分計算を行った場合,従来道路建設が渋滞を悪化させる例として示されていた容量のパラドクスが消滅するケースがあることが示された.現実的な空間認知プロセスを考慮したLNLモデルでは,こうしたパラドクスがおきないことを示した.
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