Project/Area Number |
13750641
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Composite materials/Physical properties
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
久保山 敬一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (50323788)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 金ナノ粒子 / 高分子 / 拡散 / 相互作用 |
Research Abstract |
本研究は、ホットプレスにより成型した高分子の板上に金を少量蒸着し熱処理した際の、高分子中への金微粒子の拡散現象に関する研究である。金と高分子間の相互作用は小さいと考えられるが、それにもかかわらず特定の条件下において金微粒子を拡散させることができる。この条件および金微粒子の拡散機構解明を目的として研究を行った。 まず、高分子中に酸素原子や窒素原子等を含む極性基が存在する場合、より拡散し易いことがこれまでの研究で分かった。このことから金微粒子と極性基間には相互作用が働いているものと考えられた。これは極性基の有無と金の蒸着量との関係、さらには高分子中の極性基の量と金微粒子の拡散状態の観察結果からも確認された。この熱処理時の金微粒子の拡散距離について、ストークス・アインシュタインの式から得られる値との比較を行ったところ、極性基を持つ高分子中ではより大きな拡散距離をとることが分かった。そこでこの相互作用の大きさを見積もるため、原子間力顕微鏡を用いて、表面に金を蒸着した探針と各種高分子間に働く力の大きさをそのフォースカーブから見積もることを試みたが、高分子の種類による力の大きさの差はわずかであった。さらに非経験的分子軌道計算プログラムGaussian98を用いて、有機物近傍から金原子を無限遠に移動させるのに要するエネルギーを計算させた結果、数kcal/mol程度であることが分かった。これは200℃における熱運動エネルギー(〜0.9kcal/mol)に比べて十分に大きい値であり、拡散に際して有意な値であると考えられる。 以上のように本研究により、金と高分子中の極性基間に相互作用があり、これによって拡散距離が大きくなることを見出し、またこの相互作用の大きさを見積もることが出来た。
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