Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
DV-Xα分子軌道計算プログラムにより,Ni-20at%Al-5at%X (X : Pt, Co, Cu)合金について電子状態計算を行った。 平成13年度に計算を行った系は,Xとして,Ti, Zr, Hfを選択したが,これらは,ベースとなるNi_3Al格子中のAlの原子位置にXが置換するタイプの合金であった。本年度Xとして選択した第三元素は,Ni位置に置換するタイプの合金である。計算結果から得られたのは,電子密度図,エネルギー準位図,有効共有結合電荷,等である。電子密度図より,Ni-Al-CuおよびNi-Al-Co合金に比べてNi-Al-Pt合金では,添加元素Ptの周りの電子の広がりが大きく,共有結合性が強く,イオン結合性が弱いことがわかった。また,電子の状態密度の計算から,Ni-Al-Pt合金では,フェルミレベル付近のエネルギー準位を持つ電子の状態密度の広がりが大きく,価電子帯の電子状態密度が相対的に小さくなっていた。これは,共有結合性が強く,イオン結合性が小さかったことに対応する。さらに,価電子帯の電子遷移密度の計算結果は,Ni-Al-Pt合金で多の合金よりも大きい広がりを見せた。 これら3種の合金を実際にアーク溶解炉で作成し,XPSにより価電子帯の電子遷移スペクトルを測定した結果,計算による電子遷移密度図と良い一致をみた。しかし,計算で現れるフェルミ準位以下のエネルギー領域での周期的なスペクトルは再現されなかった。これは測定限界を超えているためと考えた。以上により,Ni-Al-Pt合金がもっとも高い高温耐食性を示すことが予想された。平成13年度の結果も考え合わせると,共有結合性の強い第三元素をNi-Al合金に添加することで,高温耐食性に優れる合金を設計できる可能性が示された。
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