Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
本研究では,既往のCVD成膜プロセスにおいて指摘される原料供給面での問題点を改善し,種々の多成分系酸化物薄膜の作製に適用可能な新たなCVD成膜プロセスを確立することを最終的な目的とする. 従来のCVD成膜プロセス(熱CVD)では有機金属化合物を加熱・気化させることで原料ガスを供給するが,多成分系薄膜においては各構成成分毎に気化器を設置する必要があるために原料供給量の比率を意図的に調整することが困難であり,組成の制御に多くの障害が生じる.ゆえに,これに代わる新たな手法として,本研究では混合組成比を任意で調整した有機金属化合物の溶液を微細な液滴(ミスト)として噴霧し,これを原料供給源として基板上に多成分系薄膜を成膜する方法を提案する. 上記の手法によるCVD成膜を実現するため,まず昨年度[平成13年度]の研究においては有機金属溶液をミスト状態で供給する原料供給系を備えたCVD成膜装置を試作した.装置の原料供給系には超音波発振式噴霧器を設置し,これを用いてミスト化させた原料溶液[Ti(O・n-C_4H_9)_4/2-metoxyethanol溶液など]を成膜用基板[(100)Si等]へと吹き付けることにより,基板上にTiO_2薄膜を形成が可能であることを確認した. 今年度[平成14年度]の研究では,原料溶液中での有機金属化合物の混合比率を調整することで多成分系薄膜の組成比を任意に制御することができるか,という点についての確認を行うため,上記の成膜装置を用いてPbO-ZrO_2-TiO_2系三成分薄膜[Pb(Zr, Ti)O_3]を作製した.すなわち,有機金属[(CH_3COO)_2Pb, Zr(O・i-C_3H_7)_4およびTi(O・n-C_4H_9)_4]を用いて成膜用の原料溶液を調製する際,溶液中への原料仕込み量を調整することによって,成膜される薄膜の化学組成を連続的に制御することに成功した.
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