環境制御レーザーアブレーションによる光・電子機能性有機多層薄膜の作成と物性評価
Project/Area Number |
13750679
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Material processing/treatments
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
角田 勝則 東京理科大学, 理学部, 助手 (80307694)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | レーザーアブレーション / 薄膜 / 機能性色素 / 導電性高分子 / 有機多層膜 / ポリチオフェン誘導体 |
Research Abstract |
本研究によって開発した環境制御レーザーアブレーションは機能性分子自体をアブレーションによって蒸散させるのではなく、マトリックス中に機能性分子を分散させ、マトリックスを蒸散させると同時に、機能性分子も蒸散する系を構築することによって、アブレーションによる機能性分子の損傷を最小限に押さえることができる。この方法の利点としては真空蒸着法では蒸着できない分子の蒸着も容易に行えることと、マトリックスの吸収波長を制御することによって機能性分子の光分解なども防げることである。 まず、レーザーアブレーションによる温度上昇がどの程度なのかを見積もるため、ポリアルキルチオフェンのサーモクロミズムを利用してアブレーション時の温度上昇を測定した。その結果、石英基板を用いた場合温度上昇はレーザー照射直後に融点以上に達し、マイクロ秒程度で100℃前後まで冷却され、室温に戻るには数分かかった。さらに、アブレーションの閾値以下のフルエンスでも、融点近くまで温度上昇していることが確認された。また、周辺部への熱拡散はほとんど起こらず、温度上昇は基板の影響を大きく受けることがわかった。次に、この温度上昇を効率的に物質の蒸散に利用するためマトリックスとしてコラーゲンを用いて膨潤状態でのアブレーションについて検討を行った。膨潤状態のアブレーションでは乾燥状態では観測されなかった大きな噴出物が確認された。この噴出物を基板上に堆積させて、物理化学的性質を調べたところ、分子量が低下したゼラチンが主成分であった。この知見を元に薄膜の作成が困難なカーボンナノチューブをコラーゲン溶液中に分散させ、膨潤フィルムを作成してアブレーションによる薄膜作成を試みたところ、凝集性が高いカーボンナノチューブを基板上に均一に堆積させることができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)