光合成細菌由来炭酸固定経路である還元的TCA回路の分子生物学的解析
Project/Area Number |
13750735
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物・生体工学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福居 俊昭 京都大学, 工学研究科, 助手 (80271542)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 緑色硫黄細菌 / Chlorobium limicola / 還元的TCA回路 / ATP-citrate lyase / citrate synthase / isocitrate dehydrogenase |
Research Abstract |
還元的TCA回路は有機酸を代謝系の中心とした非Calvin回路型のCO_2固定系の一つであり、TCA回路の逆回転により4分子のCO_2から1分子のオキサロ酢酸を生成する。しかし、本回路におけるそれぞれの酵素的性質や反応機構の解析、遺伝子クローニングはこれまで詳しく行われていない。本研究は湖水より単離した緑色硫黄細菌Chlorobium limicola由来還元的TCAによるCO_2固定を分子レベルで明らかにすることを目的とした。 ATP-citrate lyase(ACL)はATPを用いてクエン酸をオキサロ酢酸とアセチルCoAに開裂する逆クライゼン反応を触媒する興味深い酵素であり、原核生物では還元的TCA回路を有する生物にのみ存在している。我々はC. limicola由来ACL遺伝子のクローニングと異種宿主発現を行い、本酵素が真核生物由来酵素と異なるαβヘテロ構造を有していることを明らかにした。本酵素は逆反応を触媒せず、またADPによる競争阻害や、基質であるクエン酸濃度に応じた負の協同性を示し、回路の回転を制御していることを見出した。また[γ-^<32>P]ATPを用いた反応機構の検討により、本酵素のα-サブユニット中のHis273が自己リン酸化され、ついでリン酸基のクエン酸への転移とCoAとの結合によって生じたシトリル-CoAが開裂してオキサロ酢酸とアセチルCoAが生成することを示した。さらに、ADPは自己リン酸化された酵素と可逆的に反応してATPを再生することにより競争的に酵素反応を阻害することを示した。 一方で、本菌ゲノムにはTCA回路の鍵酵素であるcitrate synthase(CS)の相同遺伝子が存在することを見いだした。CSは還元的TCA回路によるCO_2固定を阻害すると予想されることから、その発現および発現産物について検討した。本遺伝子産物は大腸菌由来CSと45%の相同性を示し、その組換え型酵素は確かにCS活性を示した。さらに本菌において本遺伝子が転写・翻訳されていることを見いだした。酵素的性質について検討したところ、本酵素はAMPおよびADPによって強く活性化されたことから、細胞内のエネルギー状態に応じた還元的TCA回路/TCA回路の方向や速度の調節に機能していることが推測された。 また、CO_2固定酵素の一つであるisocitrate dehydrogenaseの遺伝子クローニングおよび生化学的解析を行った。本酵素は、多くの生物に存在するダイマー型とは異なるモノマー型酵素であり、中性付近では脱炭酸活性と同程度の炭酸固定活性を示すこと、オキサロ酢酸によって競争阻害を受けることを明らかとした。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)